10Apr
顔のお手入れには熱心な人も、手の甲への配慮は忘れがちになってはいませんか。ある日手の甲にシミがあることに気づく人が多い傾向です。手の甲にシミができる原因はひとつではなく多岐に渡るもの。その原因を知ることでシミの予防や対処をしていきましょう。
手の甲のシミの原因と考えると、紫外線が多いと思われがちですが、シミには何種類かあり、原因も異なってきます。手の甲のシミが目立ってお悩みの方も、今、シミがでていなくても、急に現れたりすることもあるので、しっかり対策をとっていきましょう。
手の甲のシミには種類があるの?
手の甲のシミには原因による種類があります。
まず「老人性色素班」といわれる褐色のシミ。
一般的な手の甲のシミでは多く見られるもので、それまで浴びてきた紫外線により、ある時期からシミになり現れるとされています。
紫外線を浴びると肌へのダメージを防ぐために、人の身体の中ではメラニン細胞が活性化されメラニン色素が量産されます。この働きで日焼けをすると肌が黒くなり、通常は肌のターンオーバー機能でメラニン色素は体外へ排出され肌色がもどります。
しかし紫外線を対策なしに多く浴びると、加齢によりターンオーバーが滞ることでメラニン色素が過剰生産されてしまうことに。
老人性色素班は薄茶色で輪郭がはっきりした円形に近い形が特徴で、日本人では40歳前後から出やすい傾向があります。色白の人やアウトドア派で慢性的に日光を浴びている人は、20代後半から出やすくなってしまいます。
老人性色素班は紫外線にさらされやすい顔や腕、デコルテにも出やすいのです。
紫外線は肌表面の細胞を傷つけるだけでなく、エラスチンやコラーゲンといった肌のハリに関わるものまで傷つけてしまい老化現象を引き起こしてしまいます。
「花弁性色素斑」も老人性色素班の一種ですが、強い紫外線を受けた日焼けが原因の花びらのような形のシミで、時間が経ち急に現れるという特徴があります。
「脂漏性角化症」は「老人性いぼ」ともいわれる紫外線が主な原因のシミで、若い年代にも現れることがあり美容上の悩みが大きいものです。
他に手の甲のシミの原因としてあげられるのが、キズや火傷などによる皮膚の炎症によるものです。
これはケガなどにより皮膚が炎症を起こし、年齢を重ねた後にシミになるケース。皮膚に炎症が起こると、新しい細胞を作る働きによりメラノサイトも活性化してしまい、メラニン色素を過剰生産してしまうのです。
キズのほかにも例えば虫刺されやニキビ、刺激が強い化粧品でも炎症は起こる可能性があるので、炎症を放置しないなどの注意が必要でしょう。
このほかにも手は日常生活で酷使されがちなので、肌の乾燥によるダメージも見逃せません。
また食生活や遺伝、アルコール、タバコなどの影響や、閉経・妊娠という女性のホルモンバランスが変わることも考えられます。
手の甲のシミには多くの原因があることを理解しておきましょう。
手の甲のシミは気がつくとできていた、という場合が多いのは長い年月を重ねて作られたものだからです。いったんできると完全に消すことが難しい手の甲のシミは、なぜシミができるのか原因を知っておくことで予防が可能とも考えられます。
さまざまな原因の中でも「紫外線」の影響は大きいので、言葉を変えれば紫外線対策の方法を毎日の生活の中で繰り返し行い習慣にすることでシミができるのをある程度防ぐことができるということです。
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シミの大敵は紫外線!大半の原因になっている
手の甲のシミの主な原因としては紫外線の影響が大きいと言えるでしょう。
地上に降り注ぐ紫外線には2種類のA波とB波があり、このうちB波は肌が日焼けで赤くなるサンバーンの主な原因となっています。
紫外線B波は肌を傷つけ炎症を起こしシミの原因となりますが、波長が短くA波よりも少ない量なので日傘などの対策をとることである程度防ぐことが可能でしょう。
これに対しA波は日焼けを起こしにくいため、一見するとB波よりも影響が少ないように思われがちです。しかし紫外線A波がシミやしわができる大きな原因ということを覚えておきましょう。
A波は肌の奥深くへ届くので、コラーゲンの変性など少しずつ長い時間をかけてさまざまな影響を与えてしまうことが分かってきました。地上には常にB波の20倍以上のA波が届き、雲や窓ガラスを通り抜けやすい性質を持っているので曇りの日も対策が必要でしょう。
顔や手は衣服に守られていないので無防備な部分で、中でも手は化粧をしないためシミができやすいのです。
パソコンなどの手作業や家事をする人は、例え屋内でも日光が入る場所で行うと太陽光にさらされやすく、手の甲に多くの紫外線が当たってしまうことにもなりかねません。しかし日焼け止めなどで手に紫外線対策をしている人は、顔への対策よりも3割程少ないという調査もあります。
忘れがちな手の甲への紫外線対策は意識して行い、UVケアを欠かさないようにしましょう。
いきなり出てくる!?花弁状色素斑とは
老人性色素班のうち3mm~1cmの花びら状のシミを花弁状色素班と言います。
20~30代にかけて多く、肩や背中など見えない部分に出ることが多いので、自分では気がつきにくいものです。その点では、手の甲にできたものは見つけやすいでしょう。原因は主に紫外線によるもので、強力な紫外線を浴びてできることから「日光花弁状色素班」や「光線性花弁状色素班」などとも言われています。
紫外線を浴びて直ぐに現れるものではなく、経年によりシミになる傾向があります。
花弁状色素班ができやすいのは色白の人や日焼けをすると赤くなる人で、日焼けで黒くなる人にはあまり見られません。
プールや海で強い紫外線を長時間浴びてサンバーンが起き、炎症や火傷のようになった後では、肌が正常なターンオーバーをしきれずメラニン色素が過剰に作られ蓄積してしまいます。
花弁状色素班は上半身に出やすいのですが、自然に消えていくという特徴があります。
花弁状色素班は、こまめに日焼け止めクリームを塗るなどの紫外線ケアで予防でき、時間が経つと薄くなるという特徴があります。
紫外線ケアとともに自分の肌の性質をチェックしておくことも必要で、それに合ったケアを心がけると良いでしょう。
自分は
- 「紫外線をどれ位浴びるか」
- 「日焼けをすると赤くなる」
- 「水ぶくれになる」
- 「ひりひりと痛む」
- 「そばかすがあるか」
などについてチェックします。
また日焼け止めを塗る回数も意識しておくことで、自分に合った対策をとることができるようになります。
花弁性色素沈着が気になり治療するときの方法にはビタミンC誘導体やコラーゲンが含まれているものを使います。
内服療法ではビタミンCやE、トランサミンを使用しますが、トランサミンは心臓疾患など特定の持病がある人には使用できないので注意が必要です。
ビタミンC内服薬は定期的に飲むことでメラニン色素ができるのを抑制する働きがあり、シミの治療に良く使われるものです。
花弁性色素沈着のレーザー治療では、Qスイッチレーザーの使用をおすすめします。これはナノ秒単位で高いエネルギーを照射するもので、肌へのダメージが少なくて済むというメリットがあります。
20代や30代が悩みがち!脂漏性角化症って?
脂漏性角化症は「老人性いぼ」とも言われ、年齢を重ねることでできる老化現象のひとつとされていますが、20代前半の若い人にもできることがあるものです。
日光に当たる身体の部分に多くできる老人性のシミのように現れ、肌色から淡褐色、黒色までさまざまな色です。脂漏性角化症の形は平らなものから隆起しているもの、かゆみを伴うものがあり、少しずつ大きくなり数も増えていくことがあるので、小さいうちに除去すると良いでしょう。
脂漏性角化症は皮膚の良性腫瘍のため放置しても問題ないのですが、美容の面からとても気になるものと言っていいでしょう。子どものうちから紫外線をよく浴びた人は光による老化が早期に始まる傾向があります。
また脂漏性角化症は老人性色素班のシミやホクロ、日光角化症、悪性黒色腫(皮膚がん)とよく似ているので、素人では見分けがつきにくいもの。脂漏性角化症かは自己判断せずに医師に診断してもらうことが大切です。
脂漏性角化症の具体的な治療法には、液体窒素で凍結するもの、レーザー治療、電気外科的治療があります。
液体窒素の凍結療法は、患部に液体窒素をあてて凍結させるものです。かさぶたができて1~2週間後には除去される治療法で、麻酔がいらないので手軽ですが、炎症で跡になる可能性があるので顔以外の治療法が一般的です。
レーザー照射は液体窒素よりも削る深さを調節できるメリットがあり、根本的で繊細な治療が可能です。レーザー照射による治療は異なる種類のレーザーを使用することもあります。
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放置すると危険?炎症性の色素沈着
炎症性色素沈着のメカニズムはすべてが明らかにはなっている訳ではまりませんが、炎症によるケミカルメディエーターというシグナルがメラノサイトの活性化を促すことが原因と考えられています。
メラニン色素が過剰生産されることで代謝機能が追い付かず、表皮にメラニン色素が溜まってしまいシミになります。
炎症性色素沈着は炎症が治まれば正常化するので、少しずつ薄くなっていくでしょう。
炎症にはケガによるキズや火傷といった目に見える分かりやすいもののほかに、微細なレベルの「摩擦」が原因となっているものがあげられます。
目で見ても認識できないくらいの摩擦は日常的に繰り返される可能性があり、炎症が治まりにくいもの。例えばニキビ跡などが気になり触ったりこすったりしてしまうことがあげられます。無意識に行っていることもあるので気をつけましょう。
炎症性色素沈着は放置せず原因となる刺激を避けることを自覚し、ケアすることが大切です。
炎症性色素沈着は改善が難しい老人性色素班とは異なり、炎症が治まれば自然に薄くなっていくものです。しかし老人性色素班のレーザー治療後に起こることのある「戻りジミ」は、軽い火傷のようなものといえます。自然に薄くならない場合は放置せず、ターンオーバーを促すケアが必要です。
また普通は炎症性色素沈着は肌の表皮にできますが、真皮という深い層へ届いてしまうケースもあり、この場合はダメージが回復してからのケアが必要になります。
炎症の原因を見極めて色素沈着のケアをすることが大切でしょう。
すぐに実践!簡単に取り組める改善方法
シミの予防や、できてしまった手の甲のシミをこれ以上悪化させないためには、日焼け止めクリームをこまめに塗ると良いでしょう。
スキンケア効果のあるクリームを、トイレでの手洗いごとに塗る、外にいる場合は2~3時間ごとに塗り直しするなど、ハンドクリームのように塗ることが大切です。
日焼け止めクリームは、紫外線吸収剤を含むものは長時間使用するとシミやしわができる可能性があるので、クレンジングを十分にするなど気をつける必要があります。紫外線吸収剤は紫外線を効果的に防ぐのですが、この成分は肌を酸化させる作用もあるのです。
できてしまったシミを薄くするために実践したいのは、顔のシミのように美白化粧品を使うこと。
顔につけるタイミングで手の甲にも塗りますが、顔と同じように化粧水を浸透させてから乳液やクリームをつけるイメージです。先に水分を補うことでクリームが染み込みやすくなる効果があります。
美白効果のあるハンドクリームを、良くなじませてからマッサージをして血行を促しましょう。このときハンドクリームはたっぷりの量を使うとマッサージしやすく、クリームがしっかり浸透するまで続けることで保湿に効果があります。
特に寝る前にはハンドマッサージを欠かさないようにして、できれば手袋をして寝ることをおすすめします。手袋をすることで保湿効果が高まり、血液の循環も良くなるでしょう。ナイト用として販売されている専用の手袋もあるので利用すると、シミの予防として効果が期待できます。
洗う機会の多い手はケアも重点的に行うことが大切です。紫外線対策は日常の積み重ねが大切なので、自分でできることから始めてみてはいかがでしょうか。
化粧品売り場の美容部員は左の手の甲がきれいな場合が多いのは、お客様に試供品をすすめる際に自分の手の甲に塗ってみせるからともいわれているほど毎日の積み重ねが大きいといえます。
ちょっとした手への配慮が長い時間が経つと結果として現れてくるとしたら、生活の中に組み込むケアはとっても大切ということが分かります。
紫外線対策の王道!アームカバーが効果的
簡単に取り組むことができる紫外線対策として日傘の使用がおすすめですが、完全に紫外線をカットするにはアームカバーをつけるといいでしょう。
アームカバーにはさまざまなデザインがありますが、手の甲まで覆うタイプでUVカット効果のあるものがおすすめです。1年中降り注ぐ紫外線対策には季節を問わず使用することが大切、夏には麻が入ったものなど季節に合った素材のアームカバーをつけると良いでしょう。
アームカバーはガーデニングのイメージで「大げさに見える」などの理由から敬遠しがちな傾向もありますが、手軽に紫外線対策ができるメリットの方が大きいでしょう。
例えば手の甲まで覆えば日焼け止めクリームを節約できたり暑い季節にいちいち長袖を着なくてもよかったりするなどのメリットがあり手放せない人も多くなっています。
また車の運転時にも日差しを気にする必要がありません。着脱が簡単なので、お店などの室内では外してしまえば、着ている服に合わせなくてもいいでしょう。
アームカバーは夏場の冷房対策にも重宝するので、天然シルクのアームウォーマーなども商品化されています。
近年アームカバーはUVカットなどの機能性に加えてカラーやデザインが豊富になっているのが特徴です。
肩までのロングタイプなら、ファッションとのコーディネイトも可能。スポーティーなタイプのものはジョギングなどをする人用にデザインされています。レース素材やかわいい柄やおしゃれなデザインのアームカバーを、ファッションの一部にしてみてはいかがでしょうか。
手の甲のシミは自分で見たときには、身体のシミの中でも一番目立つと言っても過言ではないでしょう。他の人から見ても手は意外に目に止まるもので手は年齢を表すとも言います。
外出時などに気になる手の甲のシミを速攻で目立たなくするには、ボディ用のファンデーションがおすすめ。ボディ用は顔用のファンデーションよりも水や汗に強いので水仕事などの家事をしても落ちにくく、衣類へ色移りしにくいのが特徴です。
またスキンケア効果も期待できるので、手の甲が乾燥するのを防いでくれるメリットもあります。乾燥もジミの原因となるのでシミ予防も期待できるでしょう。
本格的な治療方法はどんなものがある?
手の甲にできてしまったシミは原因やシミの種類により対応は異なりますが、医師の診断のもと、必要に応じて外用薬やレーザー治療を行うことができます。美白化粧品でも効果が得られなかった場合、皮膚科で処方された薬を塗り薬として使用するのが良いでしょう。
ハイドロキノンはメラニンの生成を抑える効果がありシミの除去に高い効果が得られるもの。化粧品にも含まれるものがありますが、病院で処方される配合量の方が多いのでシミが薄くなる効果もさらに期待できます。
トレチノインはビタミンA誘導体で、肌のターンオーバーへ影響を与えてくれます。メラニンを肌の表面に押し上げ剥がすというメカニズムでシミを薄くします。これらの成分を含んだクリームをシミに塗ることで治療していきますが、効果が出るには1~3カ月かかるようです。
この治療は効果を確かめながら進めていきますが、トレチノインについては妊娠中には使用できないこと、日焼け止めクリームなどの日焼け防止のための対策が必須となるなどの注意を守らなければなりません。
本格的なシミの治療法にはレーザー治療があります。これは麻酔クリームをシミに塗りレーザーを照射する治療法。
シミの大きさや状態によりレーザーを当てる時間は異なりますが、照射の後は肌色のテープで保護します。ダウンタイムと言われる照射後の状態を経て、1~6カ月後にはきれいな肌色に戻りますが、個人差があるので根気よく治療を行うことが大切です。
レーザー照射は1回では十分な効果が得られないこともあり、再び照射をする必要が出ることもあるので医師の指示に従いましょう。
シミのレーザー治療の費用は病院により異なりますが、レーザー照射料金や自宅でのケアクリームなど、初診料や診断料などが発生します。
シミの大きさやシミの数でも料金は異なり、シミが消えず再診する場合は別に料金がかかります。それぞれの病院ごとに治療法や料金体制について問い合わせをすることが必要でしょう。
シミを作りたくない!手の甲にできないための予防方法
手の甲にシミができてしまったときには、病院で処方されるクリームやレーザーなどのさまざまな改善方法はありますが、老人性色素班など完全に消してしまうことは難しいものがありと言えます。何と言ってもシミを作らないように予防することが大切なことでしょう。
シミの予防を行うことは、できてしまったシミを改善する効果も期待できます。顔の紫外線対策と同じように、手の甲にも日焼け止めクリームを塗ることは基本ですが、顔よりも落ちやすい手の甲は「塗り直し」を忘れないようにしましょう。
また紫外線以外にも乾燥によるダメージも見逃せないので、ハンドクリームを季節を問わずしっかり塗り保湿を心がけることです。
特に忘れがちなのが冬で、乾燥する季節でもあり出かける際にもチューブ式のハンドクリームなどを持参することをおすすめします。
紫外線対策と同じように美白化粧品でのケアも予防のひとつで、シミを薄くする効果よりも予防と考えて日々積み重ねていきたいものです。顔に使っている美白化粧品は自分の肌に合っていると考えて、同じものを手の甲に朝夕つけることです。
今までのケアの延長線上でできる手の甲へのケアは、今あるシミをある程度改善し悪化するのを防ぎ、新しいシミができるのを防いでくれるでしょう。
手の甲のシミは紫外線によるものがほとんどなので、手の甲にシミを作らないようにするには何と言っても「紫外線から守る」対策が必須と言えるでしょう。
手の甲にシミが!【考えられる原因は?】のまとめ
手の甲にできたシミの原因はさまざまですが、大きく分けて影響が大きい紫外線と炎症によるダメージからシミができています。また乾燥によるダメージも見逃されがちなので忘れないようにしたいもの。乾燥によるダメージを防ぐには、紫外線対策と共に保湿することも大切です。水分を意識してたっぷり補給することも、身体の中から保湿できる心がけといえます。身体には多くの水分があるので、不足して肌が乾燥しないように気を付けましょう。紫外線対策とキズなどによる炎症や肌の乾燥への対策を忘れずケアをすることは、手の甲にできたシミを予防改善することが期待できるでしょう。
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