8Nov
脱毛というと体毛の処理は、多くの女性にとって避けては通れない日課だと言えます。けれども、なかには自分で行う日々の体毛処理が面倒になったり、その仕上がりに不満を感じていたりする人もいることでしょう。そしてそんな思いをしている人であれば、一度は医療機関での脱毛を考えたことがあるのではないでしょうか。
医療レーザー脱毛とサロン脱毛の違いや、使用される医療レーザーの種類や効果について、詳しく解説していきます。医療機関での脱毛にはそれなりの料金がかかるため、利用する場合はあらかじめ関連知識を理解しておいたほうが賢明です。
医療レーザー脱毛の仕組みとは
医療レーザー脱毛とは、レーザーの熱によって体毛を除去する脱毛方法です。
体毛にレーザーで熱を加え、その熱が体毛を通じて毛根部分の細胞を破壊することで、体毛が抜け落ちるという仕組みになっています。
医療レーザー脱毛で用いられるレーザー光線には、「光線は波長の長さによって作用する色や物質が変化する」という特徴があります。この特徴を利用すれば特定の色にターゲットを絞り、その色の部分にだけ集中的に熱を加えることが可能です。
医療レーザー脱毛では、体毛の黒色だけにターゲットを絞ることで、皮膚や毛根の周囲の組織にダメージを与えることなく、体毛の細胞のみを破壊します。
こうした技術は選択的高熱治療と呼ばれ、ソバカスやホクロ、シミなどの治療にも利用されています。
ただし、医療レーザー脱毛は体毛の黒色にだけターゲットを絞るという性質上、体毛の状態によっては脱毛効果が得られない場合もあります。
体毛には生えてから抜け落ちるまでのサイクルがあり、それを毛周期と呼びます。毛周期は「休止期→成長期→退行期」という3つの段階を繰り返すのですが、このうちレーザー脱毛が効果を発揮するのは、体毛と毛根部分が繋がっている成長期のみとなります。
体毛と毛根が離れてしまっている退行期はレーザーの熱が毛根部分に届かず、体毛が抜け落ちてしまっている休止期はレーザーが黒色を感知できません。
そして、すべての体毛のうち成長期に当たる体毛は20%程度です。そのため、どれだけ優れたレーザー脱毛であっても、一度の施術ですべての体毛を除去することはできません。
サロンとは違う…医療レーザー脱毛は効果が高い?
クリニックで行われる医療レーザー脱毛と、サロンでの脱毛の大きな違いは、脱毛の際に使用するレーザーの出力です。
クリニックでは出力の強いレーザーを用いることができるので、体毛を毛根部分から破壊して、効果的に永久脱毛を目指すことができます。
一方、サロンで行われるのは出力の弱いレーザーを使った脱毛のため、毛根部分の破壊ができず、永久脱毛は困難と言えます。
サロンが出力の強いレーザーを使用できないのは、医師のいる医療機関ではないからです。平成13年に、厚生労働省から「使用する機器が医療用かどうかに関係なく、レーザー光線やその他の強いエネルギーを持つ光線を毛根部分に照射して、毛乳頭や皮脂腺開口部分などを破壊するのは、保健衛生上危険が生じる可能性がある行為である。こうした行為を医師免許のない者が行うのは、医師法第17条に違反する」という内容の通達がありました。
要するに、高出力のレーザーを使って毛根部分を破壊するのは医療行為であるため、医師のいないサロンでは実施してはいけないというわけです。
こうした背景もあり、無駄な体毛が生えてこないよう永久脱毛をしたいと考えている人は、医療機関であるクリニックで脱毛を行う必要があるでしょう。
ただし、クリニックの医療レーザー脱毛であっても、成長期に当たる約20%の体毛しか処理できませんから、希望の部位の永久脱毛を完了させるには少なくとも5~6回程度の施術を受けなくてはいけません。毛周期は体毛の部位や個人の体質によって異なり、サイクルを完璧に把握するのは難しいので、場合によってはもう少し施術回数が多くなるケースもありえます。
毛の状態に合わせて選ぶ!レーザーにも種類を知っておこう
医療レーザー脱毛で用いられる主なレーザーは、ダイオードレーザー、アレキサンドライトレーザー、YAG(ヤグ)レーザーの3種類です。それぞれレーザーの特徴が異なり、効果を発揮しやすい体毛の質などに違いがあります。
ダイオードレーザーは効果と安全性が高い!
ダイオードレーザーは、メラニン色素にのみ反応する近赤外線というレーザーです。半導体を利用してレーザーを照射します。
アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)という、日本の厚生労働省に当たる機関から永久脱毛の効果があると認められているため、効果と安全性の高い脱毛方法だと言えるでしょう。
またダイオードレーザーは肌に優しく、医療レーザーのなかでは比較的痛みが少ないのが特徴です。レーザーの波長を高い精度で調節することが可能であり、産毛のような細い体毛に対しても作用させることができます。
レーザーの照射前にはジェルの塗布が必要になります。
アレキサンドライトレーザーは痛みが少ない!
アレキサンドライトレーザーは、アレキサンドライトという鉱物を利用してレーザー照射を行います。日本人の肌に適したロングパルスを用いることで、少ない痛みでの脱毛が可能となります。機種によって出力や照射面積を細かく調節できるので、幅広い部位に対応できるという特徴を持ち、スピーディな施術も望めます。レーザー照射前のジェルは必要ありません。
YAGレーザーは深部まで届く!
YAGレーザーは他のレーザーに比べて波長が長く、肌の深部に作用しやすいのが特徴です。
毛根が深い位置にある部位の脱毛では、他のレーザーに比べて素早く効果的な施術が期待できます。ただ、深部まで作用する分、やや痛みが強い場合もあります。
メラニン色素への反応が薄いので、色素沈着のある肌や日焼けした肌、色黒の人などの施術にも対応しています。またレーザー照射前のジェルの塗布は不要です。
医療レーザー脱毛に適した人とは
永久脱毛の確実性を上げたい方
医療レーザー脱毛は医師が監督する医療行為なので、安全で効果的な脱毛を望む人に向いています。永久脱毛を考えている人にも医療レーザー脱毛が適しているでしょう。
高出力のレーザーで毛根部分の細胞を破壊できるので、体毛の再生を防止することができます。もちろん、医療レーザー脱毛であっても、体毛の状態やレーザーの照射具合によっては、毛根を完全に破壊できないこともあります。
それでもサロンでの脱毛に比べれば、医療レーザー脱毛後に再び体毛が生えてくる確率は少ないと言えるでしょう。
短期間に少ない回数で終わらせたい方
レーザーの出力が高い医療脱毛では、サロンよりも短期間に、そして少ない回数で脱毛を終えられる可能性が高いです。
特に気になる脇やVラインを施術したい方
脇やVラインなど、太い体毛が生えやすい部位の脱毛を希望する場合にも、医療レーザー脱毛が適しています。
強いレーザーで深い位置の毛根まで処理できるため、太い体毛にも効果的に作用します。
肌がデリケートな方
加えて、肌がデリケートで脱毛が不安だという人にも、医療レーザー脱毛は向いています。
医療機関であるクリニックでは、毛質や肌質とレーザーとの相性などが医学的に分析され、脱毛による痛みや皮膚へのダメージをなるべく軽減できるよう、医師の視点での工夫がされています。
効果が薄い?産毛をしっかりケアするには
体毛をカミソリなどで剃る際、硬く太い体毛よりも、柔らかく薄い産毛のほうが処理は簡単です。けれども、医療レーザー脱毛においては状況が逆転し、産毛の除去のほうが困難となります。
理由は、医療レーザー脱毛の仕組みです。医療レーザー脱毛では、黒い体毛に含まれるメラニン色素を感知し、レーザー照射が行われます。そのため、黒い色が薄くメラニン色素も少ない産毛は感知しにくく、レーザーの脱毛効果が充分に発揮されません。
しかしながら、産毛であってもまったくメラニン色素が含まれていないわけではないのでレーザーでの脱毛は可能です。
産毛をレーザーで脱毛するときにポイントとなるのは、レーザー照射を行う施術者の技術レベルです。レーザーの波長や出力を微細にコントロールし、産毛を感知できる適切なレーザーパワーに調節することで、産毛にレーザーを照射することができます。
しかし、レーザーの調節を誤ると肌の色素を感知して肌にレーザーが照射されてしまい、火傷になってしまうというケースもありえます。
産毛の脱毛を希望するのであれば、しっかりとしたレーザー照射技術を持つクリニックを選ぶ必要があるでしょう。使用するレーザーの種類や、機器のメーカーなどによっても産毛に対する脱毛効果は違うので、産毛の除去に対応したレーザー機器が準備されたクリニックかどうか、前もって確認しておくことも重要となります。
医療レーザー脱毛をしたい!クリニック選びのポイントとは
医療レーザー脱毛を行うクリニックを選ぶとき、もっとも注目したいのは実績や評判です。安くはない料金を支払って施術してもらうわけですから、できるだけ良質なサービスを提供してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。
技術レベルの低いクリニックでは脱毛の効果が薄いだけでなく、ひどい場合は腫れや火傷といったトラブルに見舞われることもあります。とはいえ、どれだけ評判がよく技術レベルの高いクリニックであっても、副作用やトラブルが絶対に起こらないわけではありません。
そうした点を考慮して、脱毛に関するリスクの保証が整っているクリニックを選ぶのも大事なポイントとなるでしょう。
クリニックが扱うレーザーの種類や機器が、自分の毛質や肌質に適しているかどうかも重要です。相性の悪いレーザーや機器で施術を行うと、効果がいまいちなことがありますし、リスクも高まります。
痛みに弱い人や肌がデリケートな人、色黒の人などは事前によく確認したほうが良いでしょう。
脱毛にかかる料金も、クリニック選びの大切な要素です。特に複数の箇所を脱毛する場合は、トータルの金額で考えるようにしましょう。同じ部位であってもクリニックによって料金が異なりますから、部位ごとに利用するクリニックを変えることで、費用を安く抑えることもできます。
クリニックの場所や営業時間にも気をつけなければいけません。
希望部位の脱毛を終えるのに、少なくとも5~6回はクリニックに通う必要があります。あまり遠い場所にあるクリニックを選んでしまうと通うのが大変ですし、自分の生活リズムとクリニックの営業時間が合わなければ、無理をして通わなければいけないというケースも考えられます。
なるべく自宅や通勤先から近く、都合が合いやすい時間に営業しているクリニックを選ぶほうが良いでしょう。
効果を肌で感じる!お試し脱毛がお得かも
クリニックの評判や医療レーザー脱毛の効果を実感するため、試しに一度施術を受けてみるというのも良いでしょう。
どれだけ評判の良いクリニックでも、店舗やスタッフの雰囲気が自分の好みに合わないことがありますし、口コミ情報と実際に体験した感想がまったく違うという可能性もあります。
また、体質によっては痛くないと聞いていた種類のレーザーが痛い、痛いタイプのレーザーが少しも痛くないというパターンもありえます。いろいろなタイプのレーザーを試すことで、自分と相性の良いレーザーを見つけることもできます。
毛質や肌質の影響を受ける医療レーザー脱毛の感覚は、実際に脱毛を経験してみるまでわからないという部分があります。
しかし、クリニックの印象が思っていたよりも悪かったり、痛くないはずのレーザーが痛かったりしたとしても、1回施術を受けることで約20%の体毛を除去できるという点に変わりはありません。
さらに、毛根を破壊された体毛がどのように抜けていくのか、施術のあと肌がどのような状態になるのか、詳しく知ることもできます。
クリニックの雰囲気や技術レベルなどを体験しながら脱毛もできるのですから、お試し脱毛のメリットは大きいと言えるでしょう。店舗によっては体験コースやお試しキャンペーンを実施していることもあるので、そうしたサービスを利用すればよりお得に医療レーザー脱毛を試すことができます。
エステとの効果の差を実感!医療レーザー脱毛の効果とはのまとめ
医師の監督下で行われる医療レーザー脱毛は、医師不在のサロン脱毛に比べて高い安全性を誇ります。さらに、強い出力のレーザーで毛根部分を破壊できるため、永久脱毛を希望している人にはうってつけだと言えるでしょう。ただ、施術で用いられるレーザーには、ダイオードレーザーやアレキサンドライトレーザー、YAGレーザーなどの種類があるので、自分に合ったレーザーを見つけるのが重要です。それから、クリニックの評判や技術レベルはどうか、トラブル時の保証や料金は適切か、通いやすい場所や営業時間かなどの点にも注意する必要があるでしょう。体毛に関する悩みを抱えているという人は、思い切って医療レーザー脱毛を試し、ムダ毛のないきれいな肌を目指してみてはいかがでしょうか。
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